xAI創業者のイーロン・マスク最高経営責任者(Elon Musk)は2026年7月28日、大規模言語モデル「Grok 4.6」を8月7日ごろ、後継の「Grok 4.7」を数週間後に投入するとX上で予告した。同氏はGrok 4.6を1.5兆パラメータ規模、Grok 4.7を2.1兆パラメータ規模と説明し、いずれも教師ありファインチューニングと強化学習を強化したモデルになるとした。
現行モデルのGrok 4.5は第三者評価機関Artificial Analysisの2026年7月8日公開の分析で総合4位にとどまっており、上位AIモデルとの差の縮小が焦点になる。ただし公式ベンチマーク、料金、提供範囲は7月28日時点で未公表で、リリース日程は暫定目標と位置づけられている。
パラメータ2倍規模へ、Grok 4.7は「速度落ちても効率重視」
米報道各社が引用したマスク氏の投稿によると、Grok 4.6は「教師ありファインチューニングと強化学習を強化した1.5兆パラメータモデル」となる。7月末時点でxAIが訓練の最終段階に入っていると同氏は説明した。
Grok 4.7についてマスク氏は「4.6よりあらゆる面で優れているが、提供速度はわずかに遅くなる。ただしトークン効率はさらに高い」と述べており、パラメータ数と推論効率のトレードオフを明示した形だ。
これらのモデルはメンフィス郊外のスーパーコンピュータ「Colossus 2」で訓練されている。同施設は2026年後半に約2GW規模まで拡張され、GPU約55万5000基を集約すると報じられている。
Grok 4.5との比較、第三者評価では上位3モデルに差
Grok 4.5について、第三者評価機関Artificial Analysisは7月8日公開の分析で総合スコア54を付与し、4位と位置づけた。
上位1〜3位はAnthropicとOpenAIのフロンティアモデルが占めており、同機関はGrok 4.5がコーディング特化指標では76点で上位モデルとほぼ同水準と評価している。
一方でGrok 4.5はハルシネーション率が54%と、上位3モデルより高い水準にとどまった。既存モデル比で知識タスクの正答率は35%から52%に改善したものの、絶対水準は依然として競合上位に届いていない。
料金面ではGrok 4.5が100万トークン当たり入力2ドル・出力6ドルと、上位競合モデルより6割以上安く設定されている。Grok 4.6/4.7の料金は7月28日時点で未公表で、この価格帯を維持できるかが企業導入面での焦点になる。
音声・動画モデルも並行更新、開発ペースはリスクにも
xAIは今回の予告と並行して、音声モデル「Grok Voice Think Fast 2.0」を8月5日から標準ルーティングに切り替えると同社ドキュメントで公表した。動画生成モデルも、ネイティブ1080p対応の新バージョンを提供している。
IntraMind社の分析は「2週間ごとの短期リリースサイクルは開発ペースを維持する戦略だが、第三者ベンチマークや料金の未公表は評価を難しくする」と指摘した。マスク氏の予告日は暫定的な目標にとどまる可能性がある点にも注意が必要となる。
今後の展望
次に見るべき点は、リリース時期の維持、第三者ベンチマークの検証、API料金と提供範囲、企業導入事例に絞られる。特に総合指数で上位競合との差がどこまで縮まるか、Grok 4.5で高かったハルシネーション率が改善されるかが評価軸になる。
並行して訓練中とされる後継モデル「Grok 5」(6兆〜10兆パラメータ規模)のスケジュール開示も焦点となる。
出典:
