パランティア(PLTR)は2026年8月3日、2026年6月期第2四半期決算を発表した。同社のIR資料によると、売上は前年同期比93%増の19億3500万ドルで、CNBCが集計した市場予想の18億1200万ドルを約7%上回った。米国商用売上は149%増の7億6400万ドル、米国政府向け売上は90%増の8億900万ドルとなり、いずれもけん引役となった。

過去1年、同社の米国商用は四半期成長率で連続100%超が続いてきた。フール社の集計では、前年同期は93%、2四半期前は137%、直前四半期は133%と伸び、今回はさらに加速した形となる。通期売上見通しも81億5000万〜81億5800万ドルへ再度引き上げ(前回71億8200万〜71億9800万ドル)、時間外株価は約12%高の142.01ドル前後で推移した。

米商用149%増と通期見通し13%上方修正、EPSも予想超え

同社のIR資料によると、Q2 2026の主要業績は次の通り。

  • 売上: 19億3500万ドル(前年同期比93%増、市場予想比+7%)
  • GAAP純利益: 10億6200万ドル(純利益率55%)
  • 希薄化後1株利益: 0.41ドル(市場予想0.35ドル)
  • 米国商用売上: 7億6400万ドル(前年同期比149%増)
  • 米国政府向け売上: 8億900万ドル(前年同期比90%増)
  • 米国売上合計: 15億7300万ドル(前年同期比115%増)

同社は通期売上見通しを81億5000万〜81億5800万ドルへ引き上げた。期初想定の71億8200万〜71億9800万ドルからは約13%の上振れとなる。第3四半期売上ガイダンスは21億6000万〜21億6400万ドルとした。

米国商用売上の通期見通しも34億2400万ドル超に再度引き上げた。フール社は前年同期比134%成長という水準を「今回決算で最も重要な数字」と指摘している。

CEOのアレックス・カープ氏(Alex Karp)は、米国商用事業を「盛況(on fire)」と表現しつつ、なお「幼少期にある(just nascent)」と述べた。カープ氏の発言はフール社が報じたもので、8四半期連続の増収を背景にした自信を示した形となる。

米商用の加速は追い風、株価下落と評価額の高さは注意点

追い風となる材料は複数ある。同社の米国商用売上は2024年比で累計380%増(約4.8倍)に達し、政府案件依存から民間全般への収益化の広がりが定量的に見えてきた。7月2日に発表したエヌビディア(NVIDIA)とのソブリンAI提携も、オンプレミスやエアギャップ環境で同社基盤とGPU計算基盤を組み合わせる内容で、政府・重要インフラ向けの追加案件を後押しする素材となる。

一方で注意点も残る。トレーディングキーによると、決算直前の同社株はブルームバーグ集計で年初来約30%安、ピーク比で約40%安の水準にあった。市場は8四半期連続の予想超えを織り込んでおり、通期売上見通しの上振れが約13%にとどまった点をどう評価するかは翌営業日以降の反応で確認する必要がある。トレーディングキーの集計では、決算前時点で29人のアナリストのうち20人が「強気」を推奨し、平均目標株価は193.48ドルだったが、売上倍率でみた同業平均を依然大きく上回る評価水準となっている。

AIソフトウェア商用収益化の指標として市場が注目

パランティアの決算は、AIソフトウェア企業が政府案件依存からエンタープライズ全般に収益化領域を広げられるかを測る指標として市場に注目されてきた。米国商用売上が2024年比で約4.8倍に達したことは、AI基盤の商用展開が加速している構図を裏付ける材料となる。

ただし、同社型の導入モデルは業務プロセスに深く入り込むコンサル要素を含み、粗利率や営業レバレッジが伸び悩めば評価額の高さが再び問題視されうる。設備投資や技術関連費用の増加ペース、契約単価の伸びは、次回以降の決算で継続的な確認が必要となる。

今後の展望

次に見るべき点は3つに絞られる。第1に、通期見通し達成に向けた米国商用の四半期成長率で、130%台後半を維持できるかが焦点となる。

第2に、7月に発表されたエヌビディアとのソブリンAI提携から実案件がどの程度発生するかで、政府案件との重複や関連取引の透明性が確認材料となる。第3に、時間外の12%高が翌営業日の終値でどの水準に落ち着くかで、市場が今回の上方修正幅を実質的にどう評価したかが見えてくる。

いずれも次回Q3決算(11月上旬予定)までのマイルストーンとして、AIソフトウェア企業の商用収益化と評価額のバランスを確認する材料となる。

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