米国の主要3指数は2026年9月30日、第3四半期(Q3)の取引を終えた。四半期ベースではナスダック総合がプラス2.5%、S&P 500がプラス2.0%で上昇した一方、ダウ工業株30種平均はマイナス2.7%と、構成銘柄の違いが四半期リターンの差を広げた。

ただし、ナスダック高の中身はAI半導体を中心としたハイテクへの資金集中が目立つ。同日発表の8月個人消費支出(PCE)価格指数が3.4%と予想を下回ったことも追い風となり、Bloombergの集計では10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ確率が約37%まで低下した。

四半期騰落は分化鮮明、ナスダック+2.5%とダウ-2.7%の構成差

9月30日のCNBCとYahoo Financeの集計によれば、Q3の主要3指数の騰落率は次の通り。

  • ナスダック総合: Q3+2.5%、9月単月は+1.9%
  • S&P 500: Q3+2.0%、9月単月は-0.5%
  • ダウ工業株30種平均: Q3-2.7%、9月単月は-4.3%

ハイテク比率の高いナスダックとS&Pが上昇した一方、金融・資本財・ヘルスケアなど旧経済株の比重が高いダウは四半期で大きく下落した。

9月30日の終値はCNBCの集計で、S&P 500が7,651.54(-0.25%)、ナスダック総合が26,861.06(+0.24%)、ダウ平均が50,906.05(-443.87、-0.86%)。ナスダックは9月中に過去最高を複数回更新したが、9月30日時点では過去最高の27,122.09を下回る水準で四半期を終えた。

PCE減速で10月利上げ観測は後退、ただし10年債利回りは5.29%で高止まり

米商務省が9月30日に発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年同月比+3.4%で、Dow Jones調査の予想中央値3.7%を下回った。コアPCEは+3.0%で、予想の3.3%、前月の3.3%を下回る減速となった。

CNBCによれば、10月28日のFOMCで0.25%の追加利上げが決まる確率は、PCE発表前の80%超から約37%へ低下した。

予想市場のKalshi、Polymarketも10月利上げ確率を約35%、据え置きを約66%で織り込んだ。

ただし、米10年国債利回りはTrading Economicsの集計で5.29%と、前日比0.04%上昇した。ADP全米雇用報告が同日発表した9月の民間雇用者数は+9万人で、ダウ・ジョーンズ調査の市場予想6.8万人を上回り、8月修正値3.6万人からも大幅に改善した。

NY連銀のジョン・ウィリアムズ総裁(John Williams)は9月29日のBloomberg報道で「年内あと1回の利上げが適切になり得る」と述べた。インフレ指標の減速と強い民間雇用、要人の慎重発言が重なり、短期の利上げ観測は10月から12月寄りにシフトした。

日経平均は半導体とソフトバンクグループ主導で66,753円、米ハイテクと連動

日本株も9月30日に大幅反発した。BBN Timesによれば、日経平均株価は前日比+1,272.45円、+1.94%の66,753.72円で引け、8月19日以来約6週間ぶりの高値となった。東証プライム市場の33業種すべてがプラスで引けた。

主要な値上がり銘柄は米半導体株高を背景にしたソフトバンクグループと、半導体製造装置大手の東京エレクトロン(+2.69%)などAI・半導体関連だった。

野村證券のストラテジストは9月、日経平均の2026年末見通しを従来水準から68,000円へ上方修正した。理由としてAI・半導体企業(ソフトバンクグループを除く)の経常利益が2026年度に倍増する見通しを挙げている。

米ナスダックと日経平均の同時高は、AI半導体セクターへの資金集中が日米両市場で共通する構図となった。

好材料と懸念材料、インフレ減速とAI集中が同時に進む

好材料と懸念材料は次のように整理できる。

好材料

  • 8月PCEとコアPCEがそろって予想下振れ、インフレ再加速懸念の緩和
  • 9月ADP民間雇用+9万人の予想超え、景気後退懸念の後退
  • ナスダックの9月+1.9%・Q3+2.5%、日経平均+1.94%、AI半導体株の堅調

懸念材料

  • 米10年債利回り5.29%、過去約19年ぶりの高水準圏で高止まり
  • NY連銀ウィリアムズ総裁ら高官から「年内あと1回の利上げが適切」との発言、12月利上げ観測が主役に
  • Q3でDowが-2.7%とナスダックから乖離、AI半導体への資金集中とバリュエーション依存度の上昇

いずれも業績悪化を直接示す指標ではないが、金利の高止まりとAI半導体への過度な集中は、Q4に向けた指数全体の変動性要因として市場では引き続き意識されている。

今後の展望

次に見るべき点は3つに絞られる。

  • 10月3日に発表予定の9月米雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)。10月FOMCの判断材料として最大のイベントとなる。
  • 10月下旬から始まるS&P 500構成企業の2026年Q3決算。エヌビディアおよびハイパースケーラー各社がAI設備投資と売上寄与をどのように説明するかが焦点となる。
  • 10月28日のFOMC。利上げでも据え置きでも、点予測(ドット・プロット)と記者会見で示される2027年の政策金利パスがドルと米国債の方向を決める。

AI相場の集中度がどこまで続くか、金利と企業業績のどちらが先に転機を示すかは、これらのイベントで初めて判断材料がそろう。

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