OpenAIは、動画生成サービス「Sora」を段階的に終了する。公式ヘルプセンターによると、ウェブ版とアプリ版は2026年4月26日にすでに終了した。残る開発者向けのAPIも9月24日に停止し、締め切り後はアカウントのデータが順次削除される。

ただし、Soraは生成AI動画の主要な入り口とされながら、利用者数では先行を許していた。市場調査会社Sensor Towerのデータによると、3月の月間アクティブ利用者は約470万人だった。これは首位のKlingの約780万人を下回る水準だ。

撤退の理由は計算資源、焦点はコーディングと企業向け

今回の終了は、OpenAIが計算資源を収益性の高い領域へ振り向ける戦略の一環だ。技術系メディアThe Decoderによると、同社はコーディング支援と企業向けサービス、複数のツールを束ねる「スーパーアプリ」を優先する。

Sora自体が完全に消えるわけではない。同メディアは、Soraが物理世界を模倣する「ワールドモデル」の研究として継続すると伝えている。

この方針転換は、企業向けに軸足を移す競合のアンソロピックと重なる、と同メディアは指摘する。

競合は利用者を伸ばす一方、API利用者には移行期限

終了発表後、競合の動画生成アプリは利用者を伸ばしている。市場調査会社Sensor Towerのデータでは、首位のKlingが週間アクティブ利用者を前週比約4%増の約260万人に伸ばした。

RunwayとViduも、それぞれ約1%増えたという。いずれもBloombergが報じた数字だ。

移行先となる高性能な動画生成モデルも増えている。主な選択肢は次の通り。

  • Google Veo 3.1: 音声付きの高解像度生成に対応
  • Kling 3.0: 開発元は中国の快手(Kuaishou)。長尺生成に強い
  • Runway Gen-4.5: カメラワークなど細かな制御が得意

一方で、注意点も残る。SoraのAPIを業務に組み込んできた開発者や企業は、9月24日までに移行を終える必要がある。

締め切り後はデータが削除されるため、生成物のエクスポートと連携の再構築という負担が生じる。

次に見るべきはAPI終了と動画生成の収益化

次に確認すべき点は、大きく3つに絞られる。

  • 9月24日のAPI終了と、移行先サービスへの切り替え状況
  • OpenAIの「ワールドモデル」研究が、新たな製品につながるか
  • Klingなど競合が、利用者の増加を収益と定着につなげられるか

生成AI動画は需要が大きい一方、計算資源の負担が重い分野でもある。今回の終了は、技術的な可能性と収益化の難しさが同時に表れた事例といえる。

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